モデル概要
モデル特徴
モデル能力
使用事例
🚀 智谱清言3-4B-INT8モデルの使用ガイド
本プロジェクトはHugging Faceのtransformers
ライブラリに基づいており、智谱清言3-4B-INT8モデルの使用方法を提供しています。テキスト生成、思考モードの切り替え、ツール呼び出し、長文処理などの機能をサポートし、ユーザーがこのモデルを効率的にテキスト処理タスクに使用できるよう支援します。
🔍 モデル情報
属性 | 詳細 |
---|---|
ライブラリ名 | transformers |
ライセンス | apache-2.0 |
ライセンスリンク | https://huggingface.co/zhiqing/Qwen3-4B-INT8/blob/main/LICENSE |
タスクタイプ | テキスト生成 |
ベースモデル | Qwen/Qwen3-4B |
🚀 クイックスタート
Qwen3のコードは最新のHugging Face transformers
ライブラリに統合されています。最新バージョンのtransformers
を使用することをおすすめします。
transformers<4.51.0
を使用すると、以下のエラーが発生する場合があります。
KeyError: 'qwen3'
以下は、このモデルを使用して与えられた入力に基づいて内容を生成するコード例です。
from transformers import AutoModelForCausalLM, AutoTokenizer
model_name = "zhiqing/Qwen3-4B-INT8"
# トークナイザーとモデルをロード
tokenizer = AutoTokenizer.from_pretrained(model_name)
model = AutoModelForCausalLM.from_pretrained(
model_name,
torch_dtype="auto",
device_map="auto"
)
# モデル入力を準備
prompt = "Give me a short introduction to large language model."
messages = [
{"role": "user", "content": prompt}
]
text = tokenizer.apply_chat_template(
messages,
tokenize=False,
add_generation_prompt=True,
enable_thinking=True # 思考モードと非思考モードを切り替えます。デフォルト値はTrueです。
)
model_inputs = tokenizer([text], return_tensors="pt").to(model.device)
# テキスト補完を行う
generated_ids = model.generate(
**model_inputs,
max_new_tokens=32768
)
output_ids = generated_ids[0][len(model_inputs.input_ids[0]):].tolist()
# 思考内容を解析
try:
# rindexで151668 (</think>)を検索
index = len(output_ids) - output_ids[::-1].index(151668)
except ValueError:
index = 0
thinking_content = tokenizer.decode(output_ids[:index], skip_special_tokens=True).strip("\n")
content = tokenizer.decode(output_ids[index:], skip_special_tokens=True).strip("\n")
print("thinking content:", thinking_content)
print("content:", content)
デプロイの提案
デプロイ時には、sglang>=0.4.6.post1
またはvllm>=0.8.4
を使用してOpenAI互換のAPIエンドポイントを作成できます。
- SGLang:
python -m sglang.launch_server --model-path zhiqing/Qwen3-4B-INT8 --reasoning-parser qwen3
- vLLM:
vllm serve zhiqing/Qwen3-4B-INT8 --enable-reasoning --reasoning-parser deepseek_r1
ローカルでの使用
ローカルで使用する場合、llama.cpp
、Ollama
、LMStudio
、MLX-LM
などのアプリケーションもQwen3をサポートしています。
✨ 主な機能
思考モードの切り替え
思考モードを有効にする (enable_thinking=True
)
デフォルトでは、Qwen3はQwQ - 32Bと同様に思考能力が有効になっています。これは、モデルが推論能力を活用して生成される応答の品質を向上させることを意味します。例えば、tokenizer.apply_chat_template
でenable_thinking=True
を明示的に設定するか、デフォルト値を使用すると、モデルは思考モードに入ります。
text = tokenizer.apply_chat_template(
messages,
tokenize=False,
add_generation_prompt=True,
enable_thinking=True # enable_thinkingのデフォルト値はTrueです
)
このモードでは、モデルは<think>...</think>
ブロックで囲まれた思考内容を生成し、その後に最終的な応答が続きます。
⚠️ 重要な注意事項
思考モードでは、
Temperature=0.6
、TopP=0.95
、TopK=20
、MinP=0
(generation_config.json
のデフォルト設定)を使用することをおすすめします。貪欲デコードを使用しないでください。そうしないと、性能が低下したり、無限に繰り返される可能性があります。詳細なガイドについては、ベストプラクティスのセクションを参照してください。
思考モードを無効にする (enable_thinking=False
)
モデルの思考動作を完全に無効にするハードスイッチが用意されており、以前のQwen2.5 - Instructモデルと同じ機能を実現します。このモードは、思考を無効にして効率を向上させる必要があるシナリオで特に有用です。
text = tokenizer.apply_chat_template(
messages,
tokenize=False,
add_generation_prompt=True,
enable_thinking=False # enable_thinking=Falseを設定すると思考モードを無効にできます
)
このモードでは、モデルは思考内容を生成せず、<think>...</think>
ブロックも含まれません。
⚠️ 重要な注意事項
非思考モードでは、
Temperature=0.7
、TopP=0.8
、TopK=20
、MinP=0
を使用することをおすすめします。詳細なガイドについては、ベストプラクティスのセクションを参照してください。
高度な使用法:ユーザー入力で思考モードを切り替える
enable_thinking=True
のときに、ユーザーがモデルの動作を動的に制御できるソフトスイッチ機構が用意されています。具体的には、ユーザーのプロンプトまたはシステムメッセージに/think
と/no_think
を追加することで、1ターンごとにモデルの思考モードを切り替えることができます。多ターンの会話では、モデルは最新の指令に従います。
以下は多ターン会話の例です。
from transformers import AutoModelForCausalLM, AutoTokenizer
class QwenChatbot:
def __init__(self, model_name="zhiqing/Qwen3-4B-INT8"):
self.tokenizer = AutoTokenizer.from_pretrained(model_name)
self.model = AutoModelForCausalLM.from_pretrained(model_name)
self.history = []
def generate_response(self, user_input):
messages = self.history + [{"role": "user", "content": user_input}]
text = self.tokenizer.apply_chat_template(
messages,
tokenize=False,
add_generation_prompt=True
)
inputs = self.tokenizer(text, return_tensors="pt")
response_ids = self.model.generate(**inputs, max_new_tokens=32768)[0][len(inputs.input_ids[0]):].tolist()
response = self.tokenizer.decode(response_ids, skip_special_tokens=True)
# 履歴を更新
self.history.append({"role": "user", "content": user_input})
self.history.append({"role": "assistant", "content": response})
return response
# 例の使用方法
if __name__ == "__main__":
chatbot = QwenChatbot()
# 最初の入力(/thinkまたは/no_thinkタグがないため、デフォルトで思考モードが有効)
user_input_1 = "How many r's in strawberries?"
print(f"User: {user_input_1}")
response_1 = chatbot.generate_response(user_input_1)
print(f"Bot: {response_1}")
print("----------------------")
# 2回目の入力、/no_thinkを含む
user_input_2 = "Then, how many r's in blueberries? /no_think"
print(f"User: {user_input_2}")
response_2 = chatbot.generate_response(user_input_2)
print(f"Bot: {response_2}")
print("----------------------")
# 3回目の入力、/thinkを含む
user_input_3 = "Really? /think"
print(f"User: {user_input_3}")
response_3 = chatbot.generate_response(user_input_3)
print(f"Bot: {response_3}")
⚠️ 重要な注意事項
API互換性を保つため、
enable_thinking=True
の場合、ユーザーが/think
または/no_think
を使用するかどうかに関係なく、モデルは<think>...</think>
ブロックで囲まれた内容を出力します。ただし、思考が無効になっている場合、このブロック内の内容は空になる可能性があります。enable_thinking=False
の場合、ソフトスイッチは無効です。ユーザーがどのような/think
または/no_think
タグを入力しても、モデルは思考内容を生成せず、<think>...</think>
ブロックも含まれません。
ツール呼び出し能力
Qwen3はツール呼び出し能力に優れています。Qwen3のエージェント能力を最大限に引き出すために、[Qwen - Agent](https://github.com/QwenLM/Qwen - Agent)の使用をおすすめします。Qwen - Agentは内部でツール呼び出しテンプレートとツール呼び出し解析器をカプセル化しており、コーディングの複雑さを大幅に軽減します。
以下は、使用可能なツールを定義してモデルを使用するコード例です。
from qwen_agent.agents import Assistant
# 大規模言語モデルを定義
llm_cfg = {
'model': 'Qwen3-4B',
# 阿里云モデルスタジオが提供するエンドポイントを使用:
# 'model_type': 'qwen_dashscope',
# 'api_key': os.getenv('DASHSCOPE_API_KEY'),
# OpenAI API互換のカスタムエンドポイントを使用:
'model_server': 'http://localhost:8000/v1', # api_base
'api_key': 'EMPTY',
# その他のパラメータ:
# 'generate_cfg': {
# # 追加:応答内容が `<think>this is the thought</think>this is the answer;
# # 追加しない:応答がreasoning_contentとcontentで分離されている場合。
# 'thought_in_content': True,
# },
}
# ツールを定義
tools = [
{'mcpServers': { # MCP設定ファイルを指定できます
'time': {
'command': 'uvx',
'args': ['mcp-server-time', '--local-timezone=Asia/Shanghai']
},
"fetch": {
"command": "uvx",
"args": ["mcp-server-fetch"]
}
}
},
'code_interpreter', # 組み込みツール
]
# エージェントを定義
bot = Assistant(llm=llm_cfg, function_list=tools)
# ストリーミング生成
messages = [{'role': 'user', 'content': 'https://qwenlm.github.io/blog/ Introduce the latest developments of Qwen'}]
for responses in bot.run(messages=messages):
pass
print(responses)
長文処理能力
Qwen3はネイティブで最大32,768トークンのコンテキスト長をサポートしています。入力と出力を合わせた総長がこの制限を大幅に超える会話の場合、RoPEスケーリング技術を使用して長文を効果的に処理することをおすすめします。YaRN方法を使用して、最大131,072トークンのコンテキスト長でのモデルの性能を検証しています。
YaRNは現在、複数の推論フレームワークでサポートされています。例えば、ローカルで使用するtransformers
とllama.cpp
、デプロイに使用するvllm
とsglang
です。一般的に、サポートされているフレームワークでYaRNを有効にする方法は2つあります。
モデルファイルを変更する
config.json
ファイルにrope_scaling
フィールドを追加します。
{
...,
"rope_scaling": {
"type": "yarn",
"factor": 4.0,
"original_max_position_embeddings": 32768
}
}
llama.cpp
の場合は、変更後にGGUFファイルを再生成する必要があります。
コマンドライン引数を渡す
- vLLM:
vllm serve ... --rope-scaling '{"type":"yarn","factor":4.0,"original_max_position_embeddings":32768}' --max-model-len 131072
- sglang:
python -m sglang.launch_server ... --json-model-override-args '{"rope_scaling":{"type":"yarn","factor":4.0,"original_max_position_embeddings":32768}}'
llama.cpp
のllama-server
:llama-server ... --rope-scaling yarn --rope-scale 4 --yarn-orig-ctx 32768
⚠️ 重要な注意事項
以下の警告が表示された場合
Unrecognized keys in `rope_scaling` for 'rope_type'='yarn': {'original_max_position_embeddings'}
transformers>=4.51.0
にアップグレードしてください。
⚠️ 重要な注意事項
すべての著名なオープンソースフレームワークは静的なYaRNを実装しています。これは、スケーリングファクターが入力長に関係なく一定であり、短いテキストの性能に影響を与える可能性があることを意味します。 長いコンテキストを処理する必要がある場合にのみ、
rope_scaling
設定を追加することをおすすめします。 また、必要に応じてfactor
を変更することもおすすめします。例えば、アプリケーションの典型的なコンテキスト長が65,536トークンの場合、factor
を2.0に設定するのが最適です。
⚠️ 重要な注意事項
config.json
のデフォルトのmax_position_embeddings
設定は40,960です。この割り当てには、出力用に32,768トークン、典型的なプロンプト用に8,192トークンが含まれており、ほとんどの短いテキスト処理シナリオに十分です。平均コンテキスト長が32,768トークンを超えない場合、このシナリオでYaRNを有効にすることはおすすめしません。なぜなら、これによりモデルの性能が低下する可能性があるからです。
💡 使用上の提案
阿里云モデルスタジオが提供するエンドポイントはデフォルトで動的なYaRNをサポートしており、追加の設定は必要ありません。
📚 ドキュメント
ベストプラクティス
最高の性能を実現するために、以下の設定に従うことをおすすめします。
- サンプリングパラメータ:
- 思考モード (
enable_thinking=True
):Temperature = 0.6
、TopP = 0.95
、TopK = 20
、MinP = 0
を使用します。貪欲デコードを使用しないでください。そうしないと、性能が低下したり、無限に繰り返される可能性があります。 - 非思考モード (
enable_thinking=False
):Temperature = 0.7
、TopP = 0.8
、TopK = 20
、MinP = 0
を使用することをおすすめします。 - サポートされているフレームワークでは、
presence_penalty
パラメータを0から2の間で調整して、無限の繰り返しを減らすことができます。ただし、高い値を使用すると、時折言語の混合やモデルの性能のわずかな低下が発生する可能性があります。
- 思考モード (
- 十分な出力長:ほとんどのクエリでは、32,768トークンの出力長を使用することをおすすめします。数学やプログラミングコンテストの問題など、非常に複雑な問題のベンチマークでは、最大出力長を38,912トークンに設定することをおすすめします。これにより、モデルに詳細で包括的な応答を生成するための十分なスペースが提供され、全体的な性能が向上します。
- 出力形式の標準化:ベンチマーク時には、モデルの出力を標準化するためにプロンプトを使用することをおすすめします。
- 数学の問題:プロンプトに「請逐步推理,并将最终答案放在\boxed{}内。」を含めます。
- 選択問題:応答を標準化するために、プロンプトに以下のJSON構造を追加します。「請在
answer
字段中仅用选项字母显示您的选择,例如"answer": "C"
。」
- 履歴に思考内容を含めない:多ターンの会話では、履歴のモデル出力は最終出力部分のみを含み、思考内容を含めないでください。これは提供されているJinja2チャットテンプレートで実現されています。ただし、Jinja2チャットテンプレートを直接使用しないフレームワークの場合、開発者がこのベストプラクティスに従うようにする必要があります。
引用
私たちの作業が役に立ったと思われる場合は、自由に引用してください。
@misc{qwen3,
title = {Qwen3},
url = {https://qwenlm.github.io/blog/qwen3/},
author = {Qwen Team},
month = {April},
year = {2025}
}
📄 ライセンス
本プロジェクトはapache - 2.0ライセンスを採用しています。



